軟包装のグラビア印刷は、彫刻した金属シリンダー(版)からフィルムへインキを直接転移させる方式で、1 色につき 1 本のシリンダーを使います。シャープで発色がよく、再現性の高い印刷を高速で行えるため、中ロットから大ロットのパウチやロールフィルムの多くはこの方式で印刷されています。その代わり、新しいデザインごとに最初に一度だけシリンダー費用がかかるため、数量やリピート注文が増えるほど経済性が高まります。
軟包装のグラビア印刷の仕組み
シリンダーは、鉄製の芯に銅メッキを施したものです。1 色分の画像を、無数の微細なセル(くぼみ)として銅の表面に彫刻し、その後、耐摩耗性のために表面にクロムメッキを施します。セルが深いほど多くのインキを保持し、濃い階調で印刷されます。
印刷機では、各色のユニットで次の工程が繰り返されます。
- 回転するシリンダーが、インキパンからインキを拾い上げます。
- ドクターブレードが表面のインキをかき取り、セルの中だけにインキを残します。
- フィルムがシリンダーに押し当てられ、インキがフィルムに転移します。
- フィルムは乾燥機を通過してから、次の色へ進みます。
瑞雄包装(Ruixiong Packaging)は、印刷・ラミネート・製袋を行う自社工場で 1 色から 10 色までの印刷に対応しており、印刷済みフィルムは建物の外に出ることなく、そのままラミネート工程へ進みます。
1 色につき 1 本のシリンダー
写真を使ったデザインでは、通常、プロセス 4 色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に白を加えた構成が必要です。ブランドカラーは、CMYK の網点で再現するのではなく Pantone の指定色に正確に合わせるため、特色として別のシリンダーを追加することがよくあります。見当を合わせて刷るマットニスなどの特殊仕上げにも、専用のシリンダーが必要です。
ラミネートの内側に入る裏刷り
ラミネートパウチの多くは裏刷りです。絵柄は、透明な外層フィルム(通常は PET または BOPP)の内側の面に鏡像で印刷され、そのフィルムがバリア層およびシーラント層とラミネートされます。インキは構成の内側に挟み込まれる形になります。輸送中に擦れることがなく、内容物に触れることもなく、外層フィルムが印刷に自然な光沢を与えます。白インキは各色の後ろ側に最後に印刷されるため、アルミ蒸着フィルム、アルミ箔、透明窓の上でも色の隠ぺい性が保たれます。
グラビア印刷が中・大ロットに適している理由
- 耐久性の高い版。クロムメッキを施したシリンダーは、非常に長い印刷でも印刷品質がほとんど変化しません。
- 色の安定性。インキ量は彫刻されたセルによって決まるため、最初の 1 メートルと最後の 1 メートルが同じ仕上がりになり、数か月後に印刷するリピート注文でも同様です。
- インキの盛り。グラビア印刷は、厚く均一なベタ、濃度の高い白、滑らかなグラデーションを再現でき、メタリックインキやパールインキにも対応します。
- 速度。印刷機のセットアップが済めば高速で稼働するため、数量が増えるにつれて 1 枚あたりのコストは着実に下がります。
仕上げ:グロス、マット、部分効果
グロスは、裏刷りした PET または BOPP の表面の標準的な外観です。全面マットの外観は、通常、マットの外層フィルムを使って実現します。部分仕上げはこの二つを組み合わせたもので、選択した部分にマットニスを見当を合わせて印刷し、マットな背景の中でロゴや商品画像だけを光沢のまま残します。アルミ蒸着フィルムの上で白インキを抜けば、デザインの中に鏡面の銀色を見せることができます。より強い効果を求める場合は、同じ印刷方式をホログラム袋やパールフィルムの構成にも適用できます。
シリンダー費用の内訳と、一度きりで済む理由
シリンダーは、袋の価格とは別に、一度限りの初期費用として請求されます。合計額は次の要素で決まります。
- 色数。1 色につきシリンダーが 1 本必要だからです。
- 袋のサイズ。シリンダーの円周と幅は、印刷のリピート寸法に合わせて製作するためです。パウチが大きくなれば、シリンダーも大きくなります。
- デザイン数。絵柄の異なるフレーバーや SKU ごとに 1 セットが必要です。ただし、背景が共通のバージョンであれば、シリンダーを共用し、異なる 1~2 本だけを差し替えられる場合もあります。
初回注文の後、シリンダーはお客様のために保管されます。瑞雄包装ではお客様のシリンダーを保管しているため、絵柄に変更のないリピート注文では彫刻工程を省き、そのまま印刷スケジュールの調整に進みます。新たなシリンダー費用はかかりません。後から 1 色分の文字を修正する場合は、そのシリンダーだけを作り直せば済みます。袋の寸法を変更する場合は、新しい 1 セットが必要になるとお考えください。
彫刻の前に寸法を確定し、文言を 1 行ずつすべて確認してください。デジタル校正や現物校正の段階で見つかった誤字はデータの修正で済みますが、彫刻後に見つかった誤字はシリンダーの作り直しになります。
小ロットにおけるグラビア印刷とデジタル印刷の比較
| 項目 | グラビア印刷 | デジタル印刷 |
|---|---|---|
| 初期準備 | 彫刻シリンダー(1 色につき 1 本) | シリンダーも版も不要 |
| 適した用途 | 中・大ロット、リピート注文 | ごく小ロット、テスト販売、多数の小規模 SKU |
| 単価 | 数量に応じて着実に下がる | 比較的横ばい。数量が多いと割高 |
| 色 | 正確な特色、濃度の高い白、メタリックインキ | プロセスカラーの掛け合わせ。特色の再現性と白の隠ぺい性は印刷機により異なる |
| デザイン変更 | 変更した色ごとに新しいシリンダーが必要 | データの変更だけで対応可能 |
市場をまだテストしている段階や、ロットごとに絵柄が変わる場合は、デジタル印刷が合理的です。デザインが固まり、数量の見通しが立てば、通常はグラビア印刷のほうが総コストを抑えられ、色の管理もより厳密になります。
入稿データ作成のポイント
- サプライヤーの展開図(テンプレート)上で作業する。チャック付きスタンドパウチ、フラットボトム袋、印刷ロールフィルムなど、ご希望の形状に合ったテンプレートをご請求ください。シール部、チャック位置、ガゼット、ノッチ(開封用切り込み)が示されています。
- ベクターデータで入稿する。AI または編集可能な PDF で、フォントはアウトライン化し、リンク画像は仕上がりサイズで高解像度のものを埋め込んでください。
- ブランドカラーには Pantone 番号を指定する。コート紙の色見本に合わせるのか、現物サンプルに合わせるのかもお知らせください。色は、透明、白、アルミ蒸着、クラフト紙といった基材によって見え方が変わります。
- 塗り足しを付け、安全マージンを確保する。背景は展開図の指示どおり断裁線の外側まで伸ばし、文字やロゴはシール部、チャック、折り目から離してください。
- 白版と透明窓を明示する。それぞれ名前を付けた別レイヤーにして、推測に頼る部分を残さないようにしてください。
- バーコードのコントラストを確保する。バーコードは白または明るい背景の上に濃いベタ色で印刷し、白の下地なしでアルミ蒸着フィルムの上に直接印刷することは避け、曲面になるガゼット部分からも離してください。
- 可能な範囲で色数を抑える。1 色減らすごとに、シリンダーが 1 本減ります。
よくあるご質問
グラビア印刷機は何色まで印刷できますか?
印刷機によって異なります。瑞雄包装は 1 色から 10 色まで対応しており、プロセスカラー、白、複数の特色、マットニスをカバーできます。
シリンダーの所有権は発注者にありますか?
シリンダーは、お客様の絵柄専用に彫刻されます。保管と所有権の条件については、サプライヤーと書面でご確認ください。瑞雄包装では、リピート注文に備えてお客様のシリンダーを保管しています。
シリンダー製作後にデザインを変更できますか?
可能です。ただし、変更の影響を受ける色ごとに新しいシリンダーが必要です。変更のない色は、袋のサイズが同じである限り再利用できます。
ご自身のデザインに何本のシリンダーが必要か、お知りになりたい場合は、製品カタログでご検討中の形状をご覧のうえ、デザインデータと袋のサイズをお送りください。シリンダー本数と見積をご案内します。瑞雄包装へお問い合わせください。